1人で登る一歩を踏み出す勇気にはまずは何が必要でしょうか。
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後藤 真一
栗山氏の補足になりますが、遭難対策協議会救助隊(表丹沢)の立場から必ず実施していただきたいことをあげさせていただきます。
ご自身の技量や経験が、行きたいルートのレベル未満にしておくことは単独行の原則ですが、併せて
1.登山届(登山計画書)はご家族(山岳会に入っている方は会にも)と、その山の管轄警察署に事前に提出すること。
もし道迷いなどして自分でリカバリーできない場合、この提出された計画書に記載されたルートまたはエスケープルートに絞り込み優先的に救助隊による捜索が行われます。
計画書が出されていないと、捜索範囲が広く拡散してしまい、救える命も救えなくなってしまうばかりか、救助側にも大きな負担、リスクを与えてしまいます。
計画書にはたとえば「**時に○○峠まで行けないときは、エスケープルートとして△△尾根を下る」など有事の際の対応策を記載しておき、現場ではそれ以外のルートに欲を出して行ってみよう、などはしないことですね。
計画書に記載する内容は、氏名、性別、生年月日、血液型、住所、携帯番号とアドレス、緊急時の際のご家族などの連絡先、予定日程とルート、前述した有事の際のエスケープルート、そしてできればザックやウエアの色などあればよいと思います。
登山計画書の届出は管轄警察署(たとえば長野県警、神奈川県警など)のHPに掲載もされていますし、入山口に登山届ポストがあれば、そこへの紙提出もよいでしょう。
また最近はガイド協会が作るコンパスというシステムもあり、ここにオンライン提出すると、自然に管轄警察に流れます。そして下山したらスマホなどでオンライン下山連絡ができます。もし下山連絡がないと登録したご自身ンオ携帯番号やご家族に連絡が行き、いち早い遭難救助対応が取れる仕組みになっています。
登山記録サイト「ヤマレコ」でも山岳保険とこの入山下山管理がセットになった「チーム安全登山」という便利なものも出ています。
2.山岳保険の加入は車運転の任意賠償保険加入と同じです。
万が一の遭難救助に備えて、捜索救助給付のついた山岳保険に加入された方がよいです。
警察、消防による救助の多くは現在のところ無償ですが、埼玉県のようにヘリ救助を有料化させている県もあります。おそらく今後の趨勢になっていくでしょう。
また行方不明者の「捜索」には警察消防だけでは人手が足りず、私のような遭対協救助隊メンバーにも出動要請が出ることがあります。そうなれば有償です。山域や季節によって費用は異なりますが、救助隊員一人が一日(6時間程度)出動すると2~6万円架かります。10人出ればその10倍で、たとえば10人が3日間出ると60~180万円ですね、その他、救助に使ったロープ、カラビナ、その他のギアなども当然弁償対象となるでしょう。
私の知っている過去の救助費用最大額は2000万円を越えたものも稀ではありますが存在します。
これらは救助活動後に事故者ご本人に請求が行きます。万が一お亡くなりになってしまえばご家族に行きます。
このような経済的負担をご自身ばかりでなくご家族に負わせないためにも山岳保険加入は、「登山は自己責任」の第一歩だと思います。
それから保険加入の事実と内容、保険会社連絡先はご家族に必ず伝えてください。
もし最悪のケースでお亡くなりになってしまっても保険加入の事実をご家族が知らなければ膨大な額を残った方々が負担しなければなりませんので。
単独行は自分自身との対話ができ、自分自身を見つめられる素晴らしいメリットがありますが、それを実現するために、まず事前に上述したことを行うべきでしょうね。
添付写真1
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